企業のメールなんてGmailでいいじゃん

やや旧聞に属するけど、はてブのホッテントリで流れて来たのを見てたら、ちょっと引っかかった一言。

Gmailすげえええええええ!ってなった話 – コバろぐ

で、最近いろいろあって会社のメールがGmailに切り替わったんですが(それもどうなのと思いますが)

悪意もなにもなくて、純粋な興味本位なんだけど、「会社のメールがGmail化されること」に対して「どうかと思う」っていうのはどういう感情なんだろうというのがわからなかった。まあ一般ユーザ目線から見て、会社からそういう通達があった時に第一印象として違和感を持つというのは、まああるかなという感じはするけどね。

一方で、情報システム部門目線とか管理部門目線からすると、「会社のメールなんてGmailでいいじゃん」というのが少なくとも個人的にはトレンドです。「新しい会社が新しい各種環境を整える」という状況に遭遇しますが、もうメールに関してはGmailというかG Suiteを勧めてしまっています。

そもそも企業のメールに求められる要件って

企業におけるメールの要件って、送受信がちゃんとできればいいっていうのはあるんですが、「イマドキ」を考えると実はそうも行かないわけです。
そもそもPOP3とIMAPのどっちがいいかと考えると、どっちでもいいんだけど昨今のマルチデバイス対応とかを考えるとIMAPの方に理があるかな。ただIMAPも一人あたりのメールボックスの容量を結構使うので、その辺りの設計は難しいところ。ちょっと人数が多いだけで安いレンタルサーバだと厳しくなっちゃいます。
あとはセキュリティ周りの要件で、IMAP over SSLとかSMTP over SSLにも対応しておかないといけなかったり、DMARCはまだちょっと微妙だけどDKIMとSPFには対応しておかないといけないとか、考えることは結構多いわけです。

運用を行うのは誰か

企業において情報システムを運用するということは、必ず運用を行う人材がいるか、どこかにアウトソースをしないといけません。情報セキュリティ的な観点からいうと自社内で運用をした方がいいですが、メールに関連したそれなりのノウハウが必要になります。ましてや人数が多い会社になってくると、メールサーバ群の規模もそれなりにならざるを得ないところ。逆に人数が少ない会社の場合はSEではない人が片手間に手がけるなんていうことも起こりがちです。
しかも「イマドキのメール運用」を心得てるエンジニアってそんなに多くない印象があるんですよねぇ。WebとかDBとかは大規模な運用ノウハウなんかが惜しげもなく公開・共有されてますが、メール関連についてはその辺が本当に少ない。だからこそ、DKIMもDMARCも流行らないんじゃないかと思いますが。
結局のところ、情報システム部門がちゃんとある会社ですら、メールの運用はよくわからんしめんどくさいのでアウトソースしてしまいたいというのが事実だったりします。

改めてG Suiteのいいところ

安い!

1人当たりで500円/月です。100人の会社なら5万円/月です。1000人いても50万/月です。オンプレの自前サーバでその人数規模を支えられるサーバの運用コストを考えるとそれでも安いと思います。他の要件などからG Suite Businessにしたとしても1人当たり1200円/月なので、そこまで高いわけではありません。

運用の手間がかからない

オンプレ自前サーバの場合はアカウントの追加・削除なども情報システム部門に依頼をかけないといけないですが、G Suiteの場合なら人事や総務などの非SE部門が片手間にできる程度の運用負荷でしょう。これで浮いた手間を他の本業に振り向けられるというのは目に見えない大きなメリットです。
あるいは情報システム部門を持たないような小規模な会社でも、メールの運用をちゃんとできるというのは重要なポイントでしょう。

大容量で高機能

G Suite Basicだと1人当たり30GBのストレージが割り当てられます。100人の会社で3TBのストレージのメールサーバを用意するというのはまだギリギリ構築しやすいですが、1000人で30TBのストレージを用意しようとするとそれなりに大規模です。しかもG Suite Businessにすると、ストレージ容量無制限ってマジかよ。
それに加えてSSL対応もちゃんとされるし、標準でDKIM署名も付くし、SPFも案内にしたがってDNSに定義するだけです。天下のGoogle様なので、たまに無邪気に新機能を追加してきますが、メールのテクノロジーに関してはGoogleがリードしてる面もあるので、それは致し方ないところかとも思います。そこまで致命的な仕様変更とかもまあないですし。
そして個人用のGmailと同じくスマホなどのマルチデバイス対応もお手軽にできますし、ご存知の通りアンチスパムやアンチウィルスもちゃんと効きます。この辺に変な手間とかアプライアンスを入れなくてもいいというのは大きいです。

最後に

Googleの提灯記事みたいになってしまった…。
ちなみにMicrosoft Officeの利用がある場合は、Office 365でやるというのも有効な選択肢だと思います。
企業におけるメールサーバ運用ってどういうのがスタンダードかはよくわからないというのが実情かな。どこの会社も独自の仕組みでやってるか、SIerに丸投げというのが多くて、あまりノウハウとかが表に出てこない印象はあります。一方でやりとりをするメールヘッダを見ると、GoogleやMicrosoftになっていることも多くて、採用例は確実に増えてるんだろうなという印象も。そうするとますますメールサーバの構築運用ノウハウが世間に共有されないという悪循環はありますが、やっぱりGmailに頼ればいいじゃんってのでいいのかな。

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