東武東上線踏切事故の法的責任についての思考実験


痛いニュース(ノ∀`):【東武東上線】 女性が踏切待ちで車を離れポスト投函→動き出し電車と衝突

何の気なしにTwitterでつぶやいたら、意外とリツイートされちゃったのでもうちょっと細かく思考実験してみようと思います。
ちなみに法学部出身ではあるけど、法律や保険の専門家ではありません。ある程度ググってはいますが、あまり正確かつじっくりウラを取ってるわけではありませんのであしからず。戯れの思考実験です。

刑事罰について

刑法第129条の過失往来危険罪が適用されると考えられます。

(過失往来危険)
第百二十九条  過失により、汽車、電車若しくは艦船の往来の危険を生じさせ、又は汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、若しくは艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊した者は、三十万円以下の罰金に処する。

置き石などのように故意があれば第124条の往来妨害罪や第125条の往来危険罪、あるいはけが人が出ていれば第209条の過失傷害罪なども視野には入りますが、この辺は適用できなさそうです。また過失往来危険罪には重過失規定がないので、30万円以下の罰金というのが結論でしょうか。実際に立件するかどうかは微妙なところかもしれませんけど。

交通違反について

自動車事故なので違反点数がつく可能性が考えられます。ただ交通違反の一覧を見てみても今回の件で該当しそうなのは「遮断踏切立入」でしょうか。それから踏切前の最前列で車を放置してポストへ駆けて行ったように報道されているので、「駐停車禁止場所での停車」が該当するかもしれません。2つを併せても4点ですかね。なので過去の違反歴がなければ、免停にすらならないことになります。車がペシャンコになってる事故映像だけ見ると、一発免取まで行ってもいい気がしてしまいますが。

民事責任について

鉄道事故と損害賠償請求の話は往々にして都市伝説ですが、この件はガッツリ請求訴訟をするのかなという印象を持ってたりします。東武鉄道は運転見合わせ4時間半とそれによる振替輸送などの分、あと車両が東京メトロ(営団)7000系電車のようなので車両そのものに対する損害で東京メトロにも請求権が発生するかな。
東武の方は、具体的にいくらになるのかはなんとも言えませんが意外と長い時間止まってますし、それこそ都市伝説を信じれば億単位の賠償請求も可能かもしれません。
東京メトロの方は、Wikipediaによると7000系の後継の10000系電車が1編成10両で12億とのことなので、1両当たりの修理費も数千万程度行く可能性もあるかもしれません。とはいえ25年以上運用している車両と思われるので、前倒しで廃車ってのもアリなのかな。

自動車保険はどうか

形式的には対物事故なので、対物無制限の保険に入っていれば全額補償される可能性はありそうです。なので加害女性(と言っていいのか?)が賠償請求訴訟を起こされても保険適用ということもアリと言えばアリでしょう。
ただしググってみても類似事例で保険適用されるか否かは両論出てくるので、個別事象によるというのが正直な所でしょうか。また保険約款で重過失免責がある場合はこれが争点になる余地はあるかもしれません。金額は莫大になるでしょうし、それなりの過失は存在するので保険会社は相当渋ってモメるだろうとは想像できます。

最後に

というわけで、影響の大きさや見た目のインパクトに比べて法的責任が軽く見えるという印象ですね。
事故原因についてこんな指摘があるわけで。

クリープ現象を知らないやつがAT車乗るなよとか、踏切待ちくらいで車から離れるなよとか、ツッコミどころの多い事故ではあります。事故そのものについては、車の運転中やましてや路上では油断しないようにしないといけないよねという感想以上のものはなかったりもしますが。

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