WindowsXP終了騒動から垣間見えたもの


WindowsXPの異例とも言える長期サポートが4月9日に終了しました。この期に及んでもその是非についての賛否が存在する辺り、香ばしく思えてなりません。端的にはTBSが言ったとされる消費者に対する責任発言だったり、報道ステーションでの無料で最新版を配れば良いのに発言でしょうか。それなりにわかってないという反応が大勢を占めてるのは、結局わかってないのはマスコミだけなのかなとも思えます。TBSをダシにするなら、水戸黄門や渡る世間は鬼ばかりを打ち切った時の視聴者に対する責任ってのは存在するんでしょうかね?

でも以前のWindows98やWindows2000の時は粛々とEOLしたのに対し、今回のWindowsXPはこんなに大騒動になったというのは長期的な課題も垣間見えて面白いなとも思えます。
この問題が長引いた最大の要因は、WindowsXPが一般層も含めて想像以上に売れて普及していたことと、2000やMeに比べて結果的に高い完成度だったこと(まあSP2で落ち着いたとは思いますが)、そしてVistaや8がその代替になりきれなかったというMicrosoftのロードマップ上の失敗があったように思います。加えてパソコンやOSのライフサイクルに対して十分に理解されなかったという問題がありました。これらによりMicrosoftにしてみれば異例の長期サポートを強いられ、その終了に際していらぬ批判を浴びてさえいます。

Windowsの各バージョンに対する評価は得てして主観を大いに含むので難しいところですが、個人的にはどれもそこそこ嫌いではありません。7以降はメイン環境をMac OS Xに移行してしまったので普段使いしていませんが、それほど強烈な拒否反応はありません。
ただ強烈な見た目や仕様の変更を望まないというのも理解はできますし、ユーザーそれぞれにおけるキラーアプリが新しい環境でどの程度同じように使えるかというのは重大な問題です。ましてやそこに要らぬコストを強いられるというのは、個人ユースでもビジネスユースでも悩ましい問題として存在します。
でもWindowsのEOLって今回が初めてじゃないんだし、もうちょっと上手いことできなかったかなと感じてしまいます。

結局のところ、過ちだったのはOSにはライフサイクルがあって、それは本来意外と短くて、しかも更改するにはいろいろな形でコストがかかるという当たり前の事実が周知されなかったということになるんじゃないかな。
それはMicrosoftの責任もあるし、PCメーカーや販売店の責任もあるし、周辺のソフトや機器メーカーやSIerの責任でもある。Microsoftは比較的情報発信をしてたとは思うけど、特にVistaや8という移行期に製品の方向性的な問題で失敗したし、そういう時期に販売店やSIerがXPでまだ戦えると煽った責任は小さくはないと思うんだよねぇ。あるいは7を売ろうとしても買い替えを促しきれなくて、それに甘んじて目先のコストを負わないという選択をした消費者や経営者の責任だってある。

この話題になるとMacとかLinuxにすればいいじゃんと言う人が湧いてくるけど、抜本的には何の解決にもなってない。その移行の手間を払うくらいだったらWindowsのバージョンアップをした方がよっぽど低コストです。金銭的にも時間的にも精神的にも。そんな全ての手間やコストを惜しんで変化を嫌う人がXPを使い続けてるんだから。
しかもMacもLinuxも、メーカーやベンダー側の思想を強烈に押し付けられるしね。いや、そもそもOSってのはメーカーの思想を押し付けられるものか。Microsoftは思想を押し付けきれなかったということかもしれません。AppleもLinuxも宗教的なところがあるけど、そういう意味では成功してる。Windowsほど万人向けかというとそうではないけど。
ついでに言うと、Mac OSXのライフサイクルはWindowsに比べると短いです。また無料だとはいいますが、実質的にハードの中にOS分のコストも含まれてるし、現在はたまたまMarvericksへのアップデートがただというだけです。Linuxはディストリによるけど、Ubuntuなんかはライフサイクル短いし、RHEL(CentOS)は長いけどちょっとすると時代遅れ感が出てくるし、そもそもデスクトップOSとしてどうよという気はするもんなぁ。

そんなわけで未来に渡ってMicrosoftもユーザーも売る側もサードパーティも心得なければならないのは、

  • OSにはライフサイクルがあって、それは長いようで短い。少なくとも永遠なんてない。
  • それ故に定期的な変化を強いられる。その変化には、金銭的だったり時間的だったり精神的だったりというコストを強いられるし、避けられるものではない。
  • パソコンを使い続けるとは、そういうことである。

という当たり前のはずのことを知って、その流れの中で使い続けるということじゃないかなぁ。常々、パソコンは一般化しはしたものの、家電製品と同じようなノリで使えるものではなく、それなりの知識とランニングコストのかかるシロモノだと思ってるんですけどねぇ。

次に大きな山として来るであろう、2020年初頭のWindows7のEOLが粛々と過ぎていくことを願わずにはいられません。

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